自分でできる自閉症チェック     
Self-Examination

自閉症治療は、早期発見が重要!

     自閉症・診断までの過程

 

 

 

 

このページは ここの説明★

 

 

 

日本では、1歳6ヵ月と3歳に義務つけされ、カナダでも、ファミリードクターによって行われている健診がありますが、子どもの発達の遅れが明らかでなければ、障害の有無は見逃されている場合が少なくありません。

 

幼稚園や小学校入学前の子どもは、家庭を離れての集団生活をあまりしないので、第三者によって子どもを客観的に見てくれる機会そのものも減ってしまいます。 他の障害・病気と同様、自閉症の治療にも『早期発見』が重要なキーワード。家庭という閉ざされた環境で、子どもの発達の変化・異常に気が付いてあげられるのは、誰でもない保護者です。


行動観察のポイント

 

しかし、ここで気をつけなければいけないことがあります。

 

児童精神科医・目白大学教授の山崎晃資氏執筆の「気になる子どもの診断」によると・・・

行動観察のキーワードは『愛着』と『客観的観察』。

 

■愛着■

 

「変だな。。」と思われる問題は、

  • あやしても笑わない 
  • 音に過敏である 
  • 人見知りをしない 
  • 親の後追いをしない
  • イナイイナイバーをしても喜ばない 
  • 抱きにくい
  • 視線が合わない 
  • 指さしをしない
  • 言葉が遅い 
  • 人やテレビの動作のまねをしない 
  • 手をヒラヒラさせたり,耳を両手で押さえたりする 
  • 独り遊びが多く,他の子どもと遊ばない 
  • ごっこ遊びをしない 
  • こだわり行動が目につく

この中にありますか?

 

そして、子どもの行動に、下記の「愛着行動」は見られますか?

  • シグナル行動(泣く・笑う・喃語・呼ぶ・特定の身振り)
  • 接近行動(接近・後追い・しがみつき・吸う)

 

 

「そう言えば、うちの子は、そういった行動をしないなぁ。。。」と感じたら、障害を疑うよりも、親の子どもへのかかわり方をまず見つめなおしてください。もしかしたら、親子関係における愛着の形成が乏しく、きちとした愛情の絆・コミュニケーションがとれていないのかもしれません。

 

例えば・・・まったく障害のない赤ちゃんであっても、お母さんが話しかけずに、スマホに夢中だったり、テレビを見っぱなしだったり、笑わなかったりしたら、 赤ちゃんだって必然的に言葉が遅くなり、表情もなくなると言われています。先述の山崎氏によると・・・

 

赤ちゃんが母親にあやされて笑うようになるのは、生後2,3カ月頃から。それ以前の笑顔は、なんらかの刺激によって表情筋が収縮したものであり、周囲の人々とのかかわりとは関係がないために「自発的微笑」といい、生理学者は「しかめ面」と呼んでいる。ところが、母親が日々のかかわりの中で、言葉や動作で赤ちゃんの注意を引きつけ、赤ちゃんの反応を見ながらタイミングよく話しかけ、笑いかけることを2~3カ月間続けていると、あやされた赤ちゃんは笑い返すようになり、「社会的微笑」に変わっていく。

 

・・・ということです。赤ちゃんは、何もしないでも、自分から自然に言葉や表情・行動を学んでいくわけではありません。あくまでも、 周りからの刺激で脳が発達して、いろいろなことを習得して、人間に成長していくわけなんです。もしかしたら、親が子どもへのかかわり方を見直し、改善を図れば、子どもの行動に変化が表れてくるかもしれません。

 

 

■客観的観察■

次に大切になるのは、親のフィルターを通しての観察は、客観的な判断に欠けてしまいがちになること。問題の本質が歪められていないか、誤った形で伝えていないか・・・に注意して、母子手帳の記載や保育園・幼稚園の行動記録を参考に。場面や時間帯を変えて、子どもと周囲との遊びの場面を何度も観察し、総合的に判断することが必要です。

 

 

しかし、それでも、子どもからの愛着行動の表出が乏しいのであれば、発達障害でもある可能性もあります。

子どもの行動で「あれ?なんか、変だなぁ。。」と感じることがあったら、まず、このセルフチェックリストを参考に、子どもを観察して、質問に答えて行ってくださいね。

 

このリストは、あくまでも目安となるものです。どのような結果になったとしても、落ち込まないで!もちろん、このチェックで『自閉症』が正式に確定したわけではありません。適切な指導、療育を受ける為にも、疑問や不安がある場合には、必ず専門の機関を受診して下さい。

 

 

乳幼児自閉症テスト (CHAT)

CHecklist for Autism in Toddlers

自閉症の研究で知られるイギリスの発達心理学者・Simon Baron-Cohenらによって考案されたスクリーニング尺度。1歳半までに共同注意と見立て遊びができない子どもは、その後自閉症の診断を受けるリスクが高いという仮説に基づく。

 

■方法■

「10分で済む質問紙法で、親が記入し異常の徴候があれば小児科医がチェック。

 

■判断基準■1歳半健診での自閉症チェックリスト-CHAT」より

 

 

アイテム   

質問/検査
A5 PP 「ごっこあそびできますか?」(親に質問)
Biii PP おもちゃの道具を渡し、「お茶をいれて」とたのむ
A7 PDP 「人差し指で自分の要求以外のことを指し示して教えてくれますか?」(親に質問)
Biv PDP 「電灯はどこにあるかな?」などの質問に対し、指差しで教えてくれるか否か
Bii GM 子供がよく知っている対象が「そこにいるよ」と指し示し、子供がそちらを見るかどうかをチェック

 

■特徴■

「迅速で経済的で、施行のための特別なトレーニングは不要」というシンプルな判断。

 

■実施■

1990年代の半ば,Baron-Cohenは16000人の幼児を対象としてCHATテストを実施。18ヶ月時にCHATテストで問題のあったケースの90%以上はその後自閉症と診断されたと報告。

 

■問題点■

CHATの信頼性研究の共同研究者であるTony Charmanは,「自閉症関連状態(autistic spectrum disorder)の児のわずか20%から40%がCHATでひっかかる程度であり,CHATは絶対的なスクリーニングではない」と指摘。Baron-Cohen自身も「スクリーニングテストだけでなく、子どもがそのテストで引っかかった場合のアフターケアや治療についても問題点がある。」との意見も。

 

 

そこで、新たに登場したのが ↓↓

 

アスペルガー症候群診断テスト  (自閉症スペクトラム指数テスト)

若林明雄教授(千葉大学)の自閉症スペクトラム指数 (AQ) 日本語版についてを元に作成したプログラム。自閉症スペクトラム指数 (AQ) を自動計算することが可能。

 

質問は全部で 50 問。(注:空白なく、すべての質問に回答すること)

 

  1. そうである
  2. どちらかといえばそうである
  3. どちらかといえばそうでない (ちがう)
  4. そうでない (ちがう)

 

の中から、自分について最も適当なものを選択。該当する番号のいずれかにチェック。

 

クリックしてオンラインチェックへ
    Image: 自閉症健康ガイド

乳幼児自閉症テスト(M-CHAT)

アメリカジョージア州立大学のDiana L. Robins博士らがCHATに修正を加えた 1歳6ヶ月~2歳用のスクリーニングテスト。CHATの親質問項目に新たに14項目を追加した全23項目(社会的行動に関する16項目・言語理解に関する1項目・自閉症に特異的にみられる行動4項目・移動に関する2項目)からなり、各項目に対して、「はい・いいえ」で答える親記入式の質問紙。

クリックしてオンラインチェックへ
Image: 日本語版M-CHAT 自閉症健康ガイド (© 1999 Robins, Fein, & Barton)

1.あなたの子供を、ブランコのように揺らしたり、膝の上で揺すると喜びますか?

2.あなたの子供は、他の子供に興味がありますか?

3.階段など、何かの上に這い上がることが好きですか?

4.いないいないばあ、をすると喜びますか?

5.電話の受話器を耳にあててしゃべるマネをしたり、人形やその他のものを使ってごっこ遊びをしますか?

6.何か欲しいものがあるとき、指をさして要求しますか?

7.何かに興味を持った時、指をさして伝えようとしますか?

8.クルマや積み木などのおもちゃを、口に入れたり触ったり落としたりではなく、おもちゃに合った遊び方をしますか?

9.あなたに見てほしいものがあるとき、それを見せに持ってきますか?

10.1~2秒より長く、あなたの目を見つめますか?

11.ある種の音に、特に敏感に反応して不機嫌になることがありますか?

  (耳をふさぐなど)

12.あなたがお子さんの顔を見て、笑いかけたりすると、笑顔を返してきますか?

13.あなたのすることを真似しますか?

  (例えば口を尖らせてみせると、顔真似をしようとしますか?)

14.あなたが名前を呼ぶと、反応しますか?

15.あなたが部屋の中の離れたところにある玩具を指で指すと、

  お子さんはその方向を見ますか?

16.お子さんは歩きますか?

17.あなたが見ているものを、一緒に見ようとしますか?

18.顔の近くで指をひらひら動かすなどの、変わったくせはありますか?

19.あなたの注意を、自分の方にひこうとしますか?

20.お子さんの耳が聴こえないのではないか、と心配されたことはありますか?

21.言われた言葉を分かっていますか?

22.何もない宙をじっと見つめたり、目的もなくひたすらウロウロ歩きまわることはありますか?

23.いつもと違うことがあるとき、あなたの顔を見て反応を確かめますか?


2014年

5月

12日

Home Videos May Allow For Quicker Autism Diagnosis【USA】

Using YouTube videos, researchers say they’ve identified a new approach to autism screening that could significantly speed up the path to diagnosis.

Short home movies may be sufficient to accurately spot children who have the developmental disorder, according to a new study from Harvard Medical School and the Stanford University School of Medicine published this week in the journal PLOS ONE.

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