障害者の親の集いの場オープン【東京】

障害のある子を抱える親たちの悩み相談に応じ、共に療育の勉強などを行う「サポート・サロンぽかぽか」が今月、町田市の福祉施設「せりがや会館」にオープンした。市内で活動する五つの親の会が設立した。毎月第4金曜日には会員以外の人にサロンを開放する。次回は4月27日。親の会メンバーは「気軽に立ち寄ってほしい」と参加を呼びかけている。

 障害児を育てる親のネットワーク作りに力を入れる親の会「町田サファイア・クラブ」の田中洋子さんによると、我が子に障害があると分かった時、その事実を受け入れることができず、周囲に相談できないまま悩んだり、療育に力を入れるが成果が出ず、心を病んでしまう親たちが多いという。

 

 田中さん自身も、重度の知的障害がある次男信太郎さん(28)が幼い頃、落ち着きがなく、はだしで家を飛び出しては、近所の家に勝手にあがりこんだり、窓ガラスを割ったりと目が離せず、「毎日がご近所へのおわびまわりだった」と話す。

 だが、「養護学校の先生に相談したり、親同士で話すことで『自分だけではない』と思い、ストレス発散ができていた」という。

 

 そんな経験から田中さんは、同クラブを発足させた。子どもの自閉症を受け入れることができず思い詰めた母親の悩みに耳を傾け、医療機関など専門機関につなぎ、自殺を回避できたこともあった。田中さんは「親が子どもの障害を受け入れ、障害の特性を深く理解することが最も大切」と語る。

 

 サロンの世話役代表で「町田市ダウン症児者を守る会 こばと会」の赤松正美さん(61)は次男の和雄さん(32)が生まれた時、ダウン症だと分かると、「この子は将来大学に行くことができないんだ」と悲観し、普通の生活すら送ることができないことがショックだった。

 

 だが、同じ境遇の親たちに相談したり、ダウン症のことを勉強したりするなかで心が軽くなった。また療育に取り組む中、我が子が自分で着替えができたり、数を数えることができるようになったりする姿を見て、「障害がある子どもを育てることは不幸ではない」と思うようになったという。

 

 赤松さんは「サロンという拠点ができたことで、親同士の情報交換や活動がますます活発になる。悩んでいるお母さんには、子どもに障害があったとしても人生が終わったわけではなく、子どもにあった育て方と、母親の人生の楽しみ方があることを伝えたい」と話している。

 

 サロンには、談話スペースと、発達障害や知的障害などに関する書籍や、市内の障害者福祉施設のパンフレットなどが置かれている。第4金曜日は午前10時から午後3時まで一般開放し、運営メンバーが相談に応じるほか、資料の閲覧ができる。そのほかの日も、随時相談を受け付けている。【2012.3.28 読売新聞

 

 問い合わせは赤松さん 電話080-1133-4104まで。