視察申し込み相次ぐ 発達障害支援のみなと学園【徳島】

10日に開校した徳島県立みなと高等学園(小松島市中田町)に、全国から視察の申し込みが相次いでいる。発達障害のある高校段階の生徒へ自立に向けた専門教育をする特別支援学校は、同校以外にまだ全国で例がない。発達障害は障害として認知されて日が浅く、義務教育後の高等教育や就労支援の在り方が問われる中、先進例に学ぼうと熱い視線が注がれている。

学園によると、県外からの視察申し込みは既に約10件。西日本各県の教育委員会や高校の関係者が多い。27日には、開校後の視察第1号として韓国からボーイスカウト全国組織の指導者7人が来校。26日から4日間、徳島、香川の両県の教育施設などを巡る計画で、県教委が学園を紹介したところ関心を持ったという。

冨樫敏彦校長らが、少人数教育やカウンセリングといった障害に応じた教育課程を組み、事業所で就業体験を行うことを紹介。販売や木工、ビル清掃の各実習室など学園の施設を案内した。視察団からも「授業料は無料なのか」「生徒の選考基準は」と熱心に質問があった。

韓国視察団の張仁號(チャンイノ)団長は「社会で自立できるよう練られた発想や取り組みは素晴らしい。韓国には、障害を持つ子どもたちのボーイスカウト組織もあり、今後も交流していきたい」と話した。

5、6の両月には福岡や広島の教育関連団体など計6団体の視察が決まっている。

冨樫校長は「視察申し込みの多さに関心の高さを実感している。今後の成果を期待するエールだと受け取っている」と気を引き締めている。

 

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 ・2012.4.28 徳島新聞Web