西荻窪で雑貨店とギャラリーが合同展-障がい者が作る織物など多彩に【東京】

全国の福祉施設で作られる手仕事品のセレクトショップ「majerca(マジェルカ)」(杉並区西荻北3、TEL 03-6671-7106)とギャラリー「gallery cadocco(ギャラリーカドッコ)」(杉並区西荻北3、TEL 03-6913-7626)の共同イベント「cocoro no wa ~ココロのワ welfaretrade goods~」が6月13日、始まった。

「手織りの布を作っているが、魅力的な製品を作る事ができない」――杉並区の施設から「majerca(マジェルカ)」に寄せられた相談がきっかけとなった同イベント。同店代表の藤本光浩さんが西荻窪かいわいに手仕事の作家が多いことに着目し、施設と作家を結び付けられないかと「gallery cadocco(ギャラリーカドッコ)」に相談したことから、コラボレーションが始まった。同ギャラリーの原田史子さんは、社会福祉に関心や理解のあるデザイナーや作家に声を掛け、福祉作業所で作られている手織りや羊毛フェルト、陶芸、ガラスなどのアイテムを使ったオリジナル製品をプロデュース。同イベントで展示・販売するに至った。
 
期間中、同店では全国の福祉施設で作られた製品を販売。同ギャラリーではデザイナーや作家によるオリジナル製品の展示・販売と共に、5月に行われた「素材市」の各種素材を使った作品の公募展も行っている。

「福祉施設の授産製品のみを扱う雑貨店として昨年の9月にオープンして以来、数々の施設関係者が自分たちの製品に対するアドバイスやヒントを求めて日々訪ねて来てくれる。そんな中で福祉施設に何が足りないのかも見え始め、もっと力になれないかと感じていた。今回は、作家とのコラボによる新鮮な作品や、自分たちで魅力的な製品を生み出している施設のもの作りを見ることもできる。ぜひ施設関係者の方々にこそ、多く足を運んでいただければ」と藤本さん。
 
原田さんも「20年来の知人のお嬢さんに知的障がいがあり、通所している施設で織物などをしていることを昔から見聞きしていた。施設で作られる製品には素材として魅力的なものが多数あるが、場合によってデザイン性に欠けるものも多く、『こうしたらどうだろう』と思うこともあった。今回は、少しの工夫をプラスアルファしたり見せ方を変えたりすることで、より多くの人に注目してもらい、それが施設や通う人たちの励みになり、今後の取り組みにつながっていくことを願って進めてきた。一点ずつ異なる表情を持った作品の数々を、この機会に触れて、選んで、使って楽しんでほしい。友だちに聞かれたら、『このバッグの素材、実はね…』と教えていただければ」と来場を呼び掛ける。

出品商品は、ノート、ストール、ストラップ、コサージュ、ちょうネクタイ、リボン型ブローチ、ラウンド型バッグ、膝当て付きサルッパカマ(野良着風ズボン)など。

協力施設は、魔法陣(荻窪)、杉並いずみ(阿佐ヶ谷)、八王子生活館(八王子)、地域作業所えちご家(横浜)、うらやすガラス幸房(岡山)、さをり工房ゆう(姫路/さをり封筒)ほか。協力作家は、オハリコフジヲさん(和裁)、河村アントンさん(イラストレーター)、シスター社さん(アクセサリー作家)、NATSUKOさん(バッグ作家)、谷川夢佳さん(アクセサリーデザイナー)、yon-neさん(手製本) 。

開催時間は12時~20時(最終日は18時)。会期中無休。6月20日まで。

 

【関連サイト】

 ・吉祥寺経済新聞

 ・majerca(マジェルカ)ウェブサイト