授産施設に給湯器解体を委託 温水器大手など就労支援 【仙台】

廃棄予定のガス給湯器を障害者就労施設で再生資源として生かす取り組みが県内で始まる。家庭用温水器大手「ノーリツ」(神戸市)が被災地の授産施設を支援しようと、仙台市ガス局と連携して実施する。施設利用者の収入アップにつなげていく考えだ。

ノーリツの関連会社「エスコアハーツ」(兵庫県稲美町)が、市ガス局の出資会社「仙台ガスサービス」から中古の給湯器を1キロ当たり50~75円で購入し、授産施設に25~50円で解体を委託。分解した部品はエスコアハーツが回収し、140円程度で再生資源として販売する。

 

解体作業に納期はなく、各人のペースで仕事ができるため、一つの作業に集中する傾向にある自閉症を抱えた利用者らに適している。慣れれば4人で1日約20台を分解でき、県内の障害者就労施設の平均より4000円ほど高い1人当たり月約2万円の工賃が見込めるという。

 

年間約4000台のガス給湯器を回収、処分してきた仙台ガスサービスにとっても、給湯器を有償で引き取ってもらえるメリットがある。仙台市内で7月にあった説明会には県内20の施設関係者が参加した。早ければ8月中旬に業務を委託する2~4施設を決め、9月ごろから作業が始まる。

 

エスコアハーツの板敷正人取締役は「被災地で就労支援に乗り出せることは、大変意義深い。将来、委託施設数を増やすことも検討したい」と話す。
エスコアハーツは同様の支援事業を2010年に開始し、関西地方の4施設で約170人が作業に従事している。

 

2012.8.1 47News