バイリンガル環境で育つ発達障害のある子どもたちの言語発達に関する研究へのご協力のお願い【Vancouver BC】

私達はバイリンガル環境が発達障害児の言語・認知発達にどんな影響があるのかを研究しています。
<本研究の概要>
現在、自閉症と診断される子どもの数は世界的に増えていますが、バイリンガル環境で子どもが自閉症と診断された多くの親御さんは、「一言語に統一するように」とアドバイスされることが一般的です。
しかし、毎日の家族間のコミュニケーションを自然に、円滑に行うためには一言語だけでは不十分なご家庭が実際には多く存在します。そのような場合、モノリンガル(単一言語)環境にすることで、子どもの社会性の発達に必要不可欠な、家庭での自然な会話の経験が欠如してしまいかねません。
 
そこで 私たちは、自閉症をふくむ発達障害を持つバイリンガル児の言語や認知、コミュニケーションなどの発達について研究し、「自閉症児の療育はモノリンガル(単一言語)環境に統一すべき」というこれまでの一般的な仮説を検証したいと考えています。現在このトピックに関する研究結果は非常に少なく、科学的に信頼できるデータが必要な状態です。
 
私たちは、この研究を進めていくことで、バイリンガル環境で自閉症と診断されたお子様とそのご家族のコミュニケーションが少しでもスムーズになることを期待しています。この研究を進めるため、皆様のご協力をいただけませんか?
 

<研究対象者>

3歳~12歳で、日本語-英語のバイリンガルで、自閉症と診断されたお子様をお持ちの方、または発達に特に問題のない正常発達のお子様をお持ちの方、またはこの研究に興味があるご家族をご存知の方、ぜひご連絡ください。

 

 

<検査の内容>

●実施する検査親御さんには、3種類の質問紙によるお子様の発達に関する調査、お子様には、いくつかの言語検査や知能検査(日本語・英語)、会話場面の録音、パソコンを使ったゲーム感覚の簡単な認知課題を実施させていただきます。検査結果など、お子様の発達支援に有効となりますものにつきましては、随時所見をつけてお渡しいたします。

 

 ●所要時間 :親御さんの質問紙は、ご自宅で実施していただき、後日回収いたします。お子さんの1回のセッションは 90分程度。およそ3回のセッションが必要です。

 

 

<研究成果の発表および個人情報の扱いについて>

テストや質問紙等の結果は、主に研究代表者の研究室に保管します。研究成果は、随時、国内外の学会および学術論文として発表させていただきますが、その際、ご協力者の個人が特定されるような情報は掲載いたしません。また、収録したデータは本研究に直接かかわる目的以外には使用しません。研究成果の出版後5年間経過した時点で処分いたします。

 

 

<研究者>

権藤桂子 共立女子大学 Keiko Gondo,Ph.D.  Kyoritsu Women’s University

大井学  金沢大学   Manabu Oi, Ph.D.   Kanazawa University

松井智子 東京学芸大学 Tomoko Matsui,Ph.D Tokyo Gakugei University

 

<お問い合わせ先>

バンクーバーでの調査へのご質問、お申し込み 門松朋子 (言語聴覚士) bilingualvan@hotmail.com

 

研究の内容についてのご質問権藤桂子(共立女子大学 家政学部児童学科) 

kgondo@kyoritsu-wu.ac.jp