「抱きしめジャケット」、独見本市で公開 自閉症の子に効果も【ドイツ】

誰かにぎゅっと抱きしめてもらいたい瞬間は誰にでもあるが、独ハノーバー(Hannover)で開催中の世界最大の情報技術見本市「CeBIT」では、そんな願いでさえもかなえてくれる「世界初」の技術が公開されている。

シンガポールの企業T-wareが開発した「cuddle jacket(抱きしめジャケット)」は、一見すると何の変哲も無いフリースのようだが、同社によると、小さな気泡が膨らむことによって抱きしめられているような感覚が生まれる。強さなどはスマートフォン(多機能携帯電話)で調節が可能で、肩部分だけに軽い圧力をかけたり、気泡をめいっぱい膨らませて体いっぱいに「抱擁」を感じたりすることもできる。

だがこのジャケット、単なるガジェットにとどまらず、学習障害のある子ども達の支援という実用的な応用法もある。

自閉症など感覚障害がある子ども達は、大きな音や知らない人に遭遇すると激しく動揺してしまうことがある。このジャケットを使った実験では、ジャケットがこういった子ども達を落ち着かせる効果があることが分かっている。また、呼吸や脈拍などを監視し、知覚に過剰な負荷がかかりつつあることを保護者に知らせる機能もある。

ジャケットは、米国の学校や、英国、オーストラリア、シンガポールの家族での試験が既に成功しているという。

 

2013.3.7 AFPBB News