発達障害の児童、情報伝達活動に弱さ自閉症など【石川】

自閉症など発達障害のある児童と、障害がみられない児童に好きな映像を見せ、脳の神経活動を調べると、発達障害のある児童の方が脳内で情報を伝達する活動が弱いことが、金沢大の「子どものこころの発達研究センター」の菊知充特任教授らの研究で分かった。大人の脳では確認されていたが、子供では世界初という。英国の学術誌の電子版に発表された。

菊知特任教授によると、高感度の磁気センサーで脳の神経活動を計測できる機器を使用し、発達障害のある児童と、ない児童計100人に好きな映像を最長12分間見せて、脳の活動を調べた。

 

その結果、発達障害のある子供は、脳の左前方部と右後方部との間で情報をやりとりする活動が、発達障害のない子供と比べて、活発ではなかったという。

 

これまでの研究成果によると、脳の左前方部は相手の行動の意図を読み取り、右後方部は見聞きした情報を分析する活動を担うとされる。菊知特任教授は「発達障害は子供の性格などによるものではない。周囲もそのことを理解してサポートしてほしい」と話している。

 

2014.4.2 日本経済新聞