キム・ピーク  Kim Peek


1951年11月11日、ユタ州ソルトレイクシティで

生まれた。

 

ピークは、普通ならば目眩がするような膨大な情報を、短時間で完全に記憶し、まるでインターネットの検索エンジンのように、正確無比に、彼の脳の"ライブラリ"から情報を瞬時に取り出すという、特異な才能を持っていたことから「歩く百科事典」と言われていた。

こうした本の丸暗記を始めたのは生後18ヶ月の時。誰かが彼に本を読んで聞かせると、ピークはたちまちそれを暗記する。

1ページ当たり凡そ8秒から10秒かけ、ほとんど”読む”というよりは、”見る”ような速度で、ページを捲っていく。全てを読破すると、その本を雑然とした本棚の中にまるで無造作に重ねていく。それは、その本の中身が、既にピークの"ハードディスク"にコピーされてしまったことを意味している。

 

このようなプロセスで、9000冊以上にも上る本の内容を暗記していたり、アメリカの都市や町をつなぐ幹線道路、すべての都市の市外局番・郵便番号・その都市をカバーするテレビ局や電話会社名も記憶した。

また、だれかが自分の誕生日をいえば,それが何曜日だったか,そして定年を迎える65歳の誕生日は何曜日になるのかをたちどころに教えてくれ、どんなに古い曲の題名も言い当てられた。しかも、作曲された年月日,初演日,作曲者の生誕地に誕生日、死亡した日まで知っていた。

 

その一方で、恐らく先天性脳障害による発育障害で、小脳に障害があり、脳梁を欠損していたため、洋服の着脱など日常生活では父親に手助けしてもらわなければならないことが多かった。

 

1988年の映画『レインマン』で,ダスティン・ホフマンが演じたレイモンド・バビットという役柄は彼がモデル。

 

2009年12月19日、心臓発作のため58歳で死去。

 


【関連/引用/参考サイト】

 ・Wiki

 ・"Kim Peek, Inspiration for 'Rain Man,' Dies at 58"